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コーヒー片手に、日々の何気ないことをつづった日記であります。


by the-sahara
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星の王子さま

私がこの本を初めて目にしたのは、保育園か小学校低学年の頃だったと思う。
紙のケースに入った、ハードカバーの本だった。母が昔に買ったものらしく、出版年月は昭和40年代の日付だったと記憶している。訳者はもちろん、内藤濯である。

最近になって、新訳の『星の王子さま』が相次いで出版されている。
文庫本であるということで、自分のために一冊持っていたいなあと思いつつ、やっぱり最初に読んだ内藤濯・訳が頭に焼き付いていて、なかなか手を出せずにいた。もし、あの台詞が、この風景描写が変わってたら嫌だな、という思いから手にも取らずにいたのである。

しかし。時はすでに21世紀。自分も大人になったわけだし、ちょっと違う訳者の本も見てみたらいいんじゃないか? そうだそうだ、内藤濯・訳がなくなるわけじゃないんだし。
と、訳の分からない言い訳をして、ついに今日本を手にした。実を言うと、毎年楽しみにしている、「新潮文庫の100冊」や「ナツイチ」といったブックレットに紹介されていた『星の王子さま』を見て、読んでみたくなっただけなのだけど。

本屋に行くと、少なくとも4冊の王子さまがあった。
手当たり次第に開く。縦書きもあれば、横書きもあって、挿絵もカラーのものやそうでないものなど違いがあった。
結局決め手となるのは、訳者の言葉遣いだ。いくつかお気に入りのシーンがあるので、そこのページの訳し方で、買う本を決めることにした。
結果、4人が、4人とも違っていた。同じ原作なのに、訳し方はみんな違う。思えば、翻訳本を読み比べるのは初めてのことで、そのあたり前の違いをとても面白いと思った。100人いれば、100人の訳があるわけだな。ふむふむ。
だいたいの目星をつけて、今日は帰ってきた。訳し方、挿絵の入れ方等々から考えて、新潮文庫版を買おうかな、と考えている。あと数日悩んで、結論を出そう。
by the-sahara | 2006-07-06 22:02 | 読む・聴く・見る