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コーヒー片手に、日々の何気ないことをつづった日記であります。


by the-sahara
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砂嵐の中から、音を探す楽しみ

こんな言葉があるかどうか定かではないが、私はラジオ族である。
小さい頃は、もちろんテレビが好きだったし、今でも見る番組は減ったけれども、毎日テレビを見ている(しかも、NHKが好きなってきた)。だから、正直なところ、大きな声で「ラジオ族なんです!」とは言えない。
でも、今から数年前、確かにラジオしか聴かない毎日を過ごしていたことがある。その頃のことを、今日は書いてみようと思う。

私がラジオを聴きだしたのは、中学3年生の頃。
現在はどうか分からないのだが、関西のkiss FMというラジオ局が、深夜に「ノクターン」という番組を放送していた。早朝の番組まで、洋楽を中心にただ音楽のみを流していたのを覚えている。放送が深夜ということもあり、夏休みなどにしか聴けないのだが、遅くまで起きてこの番組をよく聴いていた。でも、洋楽が目当てだったわけではない。
ラジオを聴いていると、時報を知らせる音が聞こえてくることがある。それは、「ポーン」という音だったり、音楽だったりする。ノクターンの場合は音楽で、今で言うところの「ヒーリングミュージック」のような音楽が、毎時ほんの数分だけ流されていた。
旋律の綺麗な音楽が好きなのは、どうもこの頃から変わらないらしく、中学生の自分はたちまちその音楽を気に入ってしまった。ただそれを聴きたいがためにラジオをつける。当時はそんな程度だった。

高校に入ると、アルバイトを始めたこともあり、ラジオどころかテレビさえも見なくなっていった。ただ、当時も好きな声優さんのラジオや、ラジオドラマを聴いたりしていた。
大学に入ると同時に、私のラジオ時代が幕を開ける。
実は、大学3年生の後半に、大家さんのご好意で要らなくなったテレビをつけてもらうまで、部屋にはテレビが無かった。あるのは、これまたもらいものの黒い大きなCDラジカセである。一緒に関西からやってきたものだ。
「テレビをつけていても見ていない。でも、音は聞いている。」
これはよくあることだ。映像はなくてもいいから、音はほしい。そう思う私が、ラジオの選局をするのは時間の問題だった。
FM YOKOHAMA。大学時代を共に過ごしたラジオ局である。朝から晩まで、日曜日から土曜日まで、つけない日はほとんどなかった。どんな番組があって、どんなDJがいるか、覚えてしまうくらい聴いた。慣れてしまえば、聴きながら本も読めるし、勉強もできる。気が付けば、テレビがなくても暮らしていけるようになっていた。
あの番組を見損ねた! と言う代わりに、あの番組を聞き逃した! と言う。本当にラジオしかない、ラジオ中心の生活だったなあと思う。

今は当時と比べると、驚くくらいラジオを聴かなくなってしまった。 
共に暮らした、あの大きな黒いラジカセも、今はもう無い。同居人に譲ってもらった小型ラジオとMD・CDプレーヤーに付属のラジオがあるので聴くには聴けるが、全部自動で音を合わせてくれるので、少し物足りない思いもする。うまくバンドを合わせながら、砂嵐の中から音をひろってくる楽しみがなくなってしまったように感じるのだ。
でも、また近々、ラジオを聴こうと考えている。というのも、高校生の頃から聴いていたラジオドラマで、大好きな作家の作品を放送すると知ったからだ。これは、聞き逃せない! そんなわけで、この話は、あともう少しだけ続く。
by the-sahara | 2006-02-21 22:31 | 日常のひとこま