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コーヒー片手に、日々の何気ないことをつづった日記であります。


by the-sahara
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スタンプ台の思い出

旅先で、記念のスタンプを見かけることがよくある。一番多いのが、駅の中で、気をつけないと見落としてしまいそうなほど、ひっそりと置かれている。

昔、小学生のときだと記憶しているが、地元・明石を走る私鉄「山陽電車」のスタンプラリーに参加したことがある。1日乗り放題のきっぷとスタンプ帳を片手に、駅で降りてはスタンプを押し、押してはまた乗るの繰り返し。コツをつかむまで時間がかかり、結局全ての駅をまわることはできなかったが、普段なら利用しないような駅に行けて、楽しかったのを覚えている。
明石在住の彫画家・漫画家である伊藤太一さんという方が、スタンプの絵柄をデザインされていたような気がするのだが・・・、それは今度帰省したときに見てくることにしよう。

それから、十数年のときが流れた。
もう何年もスタンプを押したことなどなかった。気にはなるけど、側に行って見るほどではない。そんな状態で過ごしてきた。一度、東京メトロが主催するスタンプラリーを知り、スタンプ帳を探しに行くもすでになく、涙をのんであきらめたことはあったが。
スタンプから遠ざかってしまった理由。
それは、ただ単に恥ずかしいからである。例えば、よく利用する駅にスタンプが置いてあったとする。他人から見れば、自分が地元の人間であるかどうかなんて分からない。それは分かっているのだが、地元人の自分がスタンプを押そうとしていることに、なぜか気恥ずかしさを覚えるのだ。押す必要なんてあるの? みたいな。
あと、ずいぶんスタンプ台が低く感じるようになったのも、ためらう原因の一つである。

しかし、これが旅先となると事情は異なる。
まず、誰も知り合いがいないし、何より自分は正真正銘の旅人なのだ。ここに来た記念とばかりに、スタンプを押して何が悪い! と、このときだけは、案外すんなりスタンプを押せる。
天橋立を訪れたときに、高速船の待合室で記念スタンプを見つけ、何を思ったか十数年ぶりにスタンプを手にした。あいにく手ごろな紙を持っていなかったので、手帳の余白に押すことにする。念入りにインクをつけて、力をこめて押し付ける。・・・・・・よしっ。そろそろと持ち上げると、鮮やかに押されたスタンプがあらわれた。
きっかけなんて、単純なものだ。私は、「スタンプが綺麗に押せたこと」が嬉しくて、これからは行く先々でスタンプを押そうと決めたのである。時は2006年1月1日。この日から、駅に行くたびに気をつけてスタンプを探すようにしている。

とりあえず、小さなスケッチブックを買ってきたので、当座のスタンプ帳にしようと思う。
これでまた、電車に乗ったり、旅行に行く楽しみが増えた。
密かに、日本を制覇するぞ! と思ってみたり。楽しみだなあ。
by the-sahara | 2006-01-31 12:02 | 日常のひとこま